2007年08月23日

イヌワシの四季

イヌワシの四季




関山房兵/著
A5判 上製 160ページ 定価2,520円(税込)
ISBN978-4-8299-0159-5 文一総合出版/発行
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新聞で好評連載された、空の王者イヌワシの四季の記録

国内最大のイヌワシ生息地、岩手県北上高地。この地で著者は40年近くイヌワシと向き合ってきた。極寒の地での子育て、若鳥の旅立ち、勇壮なハンティング…東北の野山を舞台に繰り広げられるイヌワシの暮らしと、イヌワシを取り巻く人々。変わりゆく森で生きる「空の王者」を書きつづった河北新報の連載エッセイを書籍化。

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※画像は見本です。



■ちょっと立ち読み/突然の別れ(本文より)


 「こら! 早く出て行け」

 「やだったら、いやだ!」


そんなやりとりが聞こえてきそうな激しい空中戦だった。

巣の近くに侵入した若鳥を、オス親が追い払おうとしているのだ。すれ違いざまに爪を合わせる程度だが、すごい迫力だ。

猛禽類は一般にオスが小型で、このオス親も若鳥よりむしろ小さく見える。

しかし、空中戦はすぐに終わった。反転して常に上空から攻撃する巧みな飛行術を駆使するオスの気迫に押されて、若鳥は間もなく引き返していった。

イヌワシは縄張りを持って暮らす鳥だ。縄張りを守る方法として、ある特別な意味を持つ飛翔を進化させている。翼を閉じてロケット弾のように急降下し、その勢いでそのまま急上昇、また反転にして急降下を繰り返す波状ディスプレイとも呼ぶ飛び方だ。これで遠く離れた相手にも威嚇や警告を発する信号が伝わり、不法侵入による戦いは起こらない仕組みになっているのだ。

イヌワシは強力な殺傷力をもつ鋭い大きな爪を備え、直接攻撃しあうことはお互いに致命傷につながる。だから、儀式的な飛翔の信号を送ることで無駄な争いを避けていると思われている。

ただし、このディスプレイは相手や場所、季節により求愛や縄張りの信号になるほか、イヌワシ同士の意志を伝えるさまざまな意味に変化するようだ。

今日も朝早くから、オスもメスも巣の周りでお互いに何回も激しい波状ディスプレイを繰り返していた。求愛にしてはもう既に巣作りも始まっているし、何か様子がおかしいぞと思っていた。

やっぱり、昨年生まれの子が親の警告を無視して舞い戻ったので、厳しいお仕置きを食らったというわけだ。

東北地方ではたいてい十二月頃までに幼鳥は親の縄張りからいなくなる。しかし、たまにこういう親離れのできない子がいると、翌年の繁殖をこの子が邪魔して、不成功に終わることが多い。

やはり、「かわいい子には旅をさせよ」が一番である。



■担当編集者が語る制作秘話

担当編集者の裏話



■イヌワシ関連書籍

[和書]
奥只見物語―イヌワシ舞う渓谷
Golden Eagle―イヌワシ
イヌワシ保護一千日の記録―猛禽類保護実践と奥只見発電所増設事件
犬鷲の存在証明

[DVD]
イヌワシ 風の砦

[洋書]
The Golden Eagle: A Behind-The-Scenes Look at the Art of Bird Carving
The Golden Eagle (Shire Natural History)
Golden Eagles (Animals That Live in the Mountains)
Golden Eagle: Sovereign of the Skies
Golden Eagles of Devil Mountain (Wildlife Conservation Society Books)
posted by BIRDER at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 記事 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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